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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

自衛隊の災害派遣について

読書メモ

 「東日本大震災自衛隊が大活躍したのは周知の事実だが・・・あの震災時、米軍がいわゆるトモダチ作戦で日本国民を救援してくれたが、その米軍は武装解除をしていなかった武器は携帯するか身近な所に保管していたのである

 それは考えて見れば当然のことであろう。軍隊が出動しなければならないほどの大規模災害が起きた場合、その地域の警察組織は寸断され機能しない状態になっていると考えられる。ならば暴徒に襲われる可能性がある。さらには住民は略奪されているかもしれない。

 それを救うためには武器の携行は不可欠である(鍛冶俊樹『国防の常識』p54)

 

 「隊が災害派遣される場合は治安出動も兼ねているのが普通(同同)

 

 「だが問題は陸上自衛隊だ。全兵力の3分の2近くを災害派遣に振り向け・・・しかも災害派遣では基本的に武装をしていない。もし震災地に北朝鮮がゲリラ部隊を侵入させていたら陸自は住民の命を守れないどころか自らの身さえ危なかったのである(同p60)

 

 「陸自隊員の大半は非武装で作業をしていたわけだから、日本を原発テロから救ったのはまぎれもなくアメリカ軍であった(同p63)

 

 

 東日本大震災での自衛隊の活動には、称賛の声もある一方、「信じがたいことに震災後三日間で手持ちの食糧が尽きたために、コンビニで買ったレトルト食品で飢えをしのい(倉山満『「軍国主義」が日本を救う」』)ぎ、「震災派遣などで使用する専用の地図が自衛隊の派遣部隊になく、ゼンリンの地図で被災地に行けという無理難題の命令が出され、無理やり行かされたものの、軍用手袋も足りていない悲惨な状況(同)であったという批判もある。

 自衛隊が自己完結できる組織でなく、災害派遣の用意すらしていなかったことを証明することとなった。

 

 自衛隊が派遣されるということは、武装組織が派遣されるということで、非武装で活動していたのであれば、全国から警察官や消防士を掻き集めても変わらない。

 

 災害派遣に於て、自衛官は武器を携帯することは出来ないのか。自衛隊法第87条には「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる」とある。

 ゲリラやテロを警戒するのであらば、それは治安出動(第78条)に当たる。その際に警察官と同様の活動が出来る(第89条第1項)から、当然武器の携帯が認められる。しかし、その使用には正当防衛及び緊急避難の外には指揮官の命令がなければならない(同2項)から、むしろ警察官よりも要件が厳しくなっている。これでは自衛隊を派遣する意味がない。

 せめて第89条第2項を削除して、最低でも警察と同じ活動が出来るようにすべきだ。例えば火事場泥棒が銃器を持って逃走している場合、自衛官は指揮官の命令が無ければ、彼に発砲することが出来ない。

 

 現行法では、少なくとも現実では、自衛隊災害派遣されても、自衛官に治安を維持する能力はなく、自分の身を守ることさえ出来ない。

 

 ▼引用文献

国防の常識 (oneテーマ21)

国防の常識 (oneテーマ21)

 
「軍国主義」が日本を救う (一般書)

「軍国主義」が日本を救う (一般書)