一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

「『ニュース女子』 #123」を視た感想① 大東亜戦争について

『ニュース女子』 #123 (大東亜戦争・陰謀論・もしも〇〇が) 大東亜戦争が自衛の為だったか、侵略であったか。この議論の気持ち悪さは、21世紀の価値観を以て20世紀の日本を断罪して悦に浸る人間と、日本は自らを犠牲にしてアジアを解放する良い戦争をした…

日本の仮想敵国と、軍事バランス

「自衛隊は『仮想敵国』という言葉を使っていません。しかし、仮想敵国のない防衛体制というものはあり得ない。 国防を考える時には、どんな国でも、軍事戦略や準備すべき兵力や兵站を考えるために仮想敵国を設定しています」(田母神俊雄『田母神国軍』p81…

おかしな日本の領海と、日本政府

日本の領海は海岸線から12海里までであり、教科書にもそう書いてある。 ichijokanji.hatenablog.com ところで、7月2日に「中国」の軍艦が津軽海峡を通過するという事件が起こった。普通には津軽海峡全体が領海であると考えるが、実はそうではない。 (画像引…

「尖閣ビデオ」と尖閣諸島の現実

尖閣ビデオが流出か 中国漁船が衝突の映像 Senkaku 「映像を見れば、中国漁船が意図的にぶつかってきたことは明らかです。・・・問題は、なぜあのようなことが起こったのか、何が原因なのかということです。 簡単に言えば、長年、日本政府があの海域で中国漁船…

国際法に基けば戦争にならない。

尖閣ビデオが流出か 中国漁船が衝突の映像 Senkaku 「今回の尖閣諸島の事件でも、海上保安庁が撮影したビデオなどによると中国の漁船はわざと体当たりをしてきたようです。我が国は絶対に銃撃はしないということを読まれてしまっています」(田母神俊雄『田…

【中学地理】 日本の自然災害

5.日本の自然災害 日本は、環太平洋造山帯に位置しているため、地震が多く、各地に分布する火山も活発に活動します。大地震が発生すると、地震のゆれによって建物がこわれたり、山くずれや液状化の現象などが発生したりして大きな被害が生じることがありま…

【中学地理】 日本の気候

4.日本の気候 ユーラシア大陸と太平洋にはさまれた日本は、太平洋からふきこむ湿気を大量にふくんだ、夏の温かい季節風(モンスーン)と、シベリアからふきこむ、冬の冷たい季節風の影響を強く受けます。また、低気圧と前線の通り道に位置し、雨が多く降り…

【中学地理】 日本の地形

3.日本の地形 世界には、地震の震源や火山が帯のように連なって分布する場合があります。この場所では、陸地に標高が高い山脈が見られ、海洋に点々と島が並んでいます。このような場所を造山帯と呼びます。世界には、太平洋を取り囲むように山脈や島々が連…

【中学地理】 日本の領土問題

2.日本の領土問題 日本の領域には、日本固有の領土であるにもかかわらず、その領有をめぐって隣国との間で課題がある地域もあります。(帝国書院) 北海道の北東にある国後島・択捉島・色丹島・歯舞群島は、日本固有の領土で、北方領土とよばれています。…

【中学地理】 日本の領域

1.日本の領域 日本列島は、北海道、本州、四国、九州の四つの島と、その周辺の伊豆諸島や小笠原諸島、南西諸島など、大小さまざまな島々から成り立っています。このように多くの島々から成り立つ日本は、周囲を海に囲まれた島国(海洋国)であり、国境線は…

日本国憲法前文は、当然に集団的自衛権を認めている。

第二段落第一文 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。 「平和を愛する諸国民」とは連合国のことであるが…

日本国憲法前文は、9条を否定している

第一段落第一文 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす…

ミサイル防衛は個別的自衛権の行使だ

www.sankei.com 仮に北朝鮮がグアムに向けてミサイルを発射すれば、アメリカ軍は在日米軍基地を起点に北朝鮮へ反撃することになる。ならば、北朝鮮はその反撃能力を削ぐために在日米軍基地を同時に攻撃することは容易に想像できる。 したがって、日本本土が…

とりとめのない憲法の話(軍隊の目的について)

そもそも軍隊は何のために存在するのか。 「軍隊の存立の主たる目的は戦争に際し兵力を以て敵軍を撃破するに存し、随て兵力の使用が主として戦時に在ることは言を待たずと雖も、平時に在りても実力を以て国権に反抗し、国内の平和を紊り警察力を以て鎮静する…

今の自衛隊では、「グレーゾーン事態」に対応できない

まずグレーゾーン事態とは何か。 「安倍内閣が示した15事例のうち『武力攻撃に至らない侵害』が、いわゆる『グレーゾーン事態』です。武力攻撃とまでは言えない緊急事態のことで、しかも現行法制ではうまく対応できないか、対処法が決まっていないケースのこ…

集団的自衛権行使容認の根拠は、憲法前文にある

「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」 ⇒再び敗戦の憂き目に合うことのないようにすることを決意し 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸…

日本国憲法上諭に見る、無効論

日本国憲法前文第一段落第一文に「日本国民は・・・この憲法を確定する」とあるから、民定憲法であるように見える。しかし上諭には「朕は・・・帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」とあるから、欽定憲法のようにも見える。 もし日本国憲法が、帝国…

とりとめのない軍事の話(自衛隊について)

自衛隊を軍隊にするには、畢竟、日本国憲法第9条を改廃しなければならない。 他にも軍法会議を設置するには76条を改廃する必要がある。 最高指揮官をどの機関が担うかによって条文を追加する必要もある。普通に考えれば国家元首たる天皇であるが。 いずれに…

お詫びと訂正

昨日投稿した「日本憲法の基本主義は、帝国憲法、日本国憲法に於て変わらない」において、帝国憲法天皇の副立法権について「法律に代わるべき緊急勅令」と書きましたが、正しくは、副立法権とは独立命令の大権を指します。 お詫びして訂正いたします。申し訳…

日本憲法の基本主義は、帝国憲法、日本国憲法に於て変わらない

憲法の基本原理、あるいは基本原則と呼ばれる「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」は、日本国憲法という成文憲法の基本原則であって、不文法をも含んだ日本憲法の基本原理ではない。 帝国憲法の時代に書かれた『日本憲法の基本主義』(美濃部達吉)…

戦争抛棄と軍備撤廃の意味

「国と国との間に平和を維持し戦争の起こることを防がうとする企は、従来も列国の間に屡熱心に試みられた所で、第一次世界大戦の後大正八年に成立した国際聯盟規約に於いて既に締約国は戦争に訴へざる義務を受諾して居り、更に昭和四年に諸強国間に締結せら…

天皇は君主であり、元首である

「君主の観念の要素が何に在るかは、単に理論の問題ではなく、一般に君主政と認められて居る諸国の実際に付いて考察せねばならぬ問題である。而して実際に君主政に於ける君主と共和政に於ける大統領との区別が何に在るかを観察すると、それは権能の相違に在…

国会と地方議会 ①代表機関であること

日本国憲法第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。 同第43条① 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。 地方自治法第89条 普通地方公共団体に議会を置く。 「国会は国民の代表機関である。それは国会の議決…

軍政と軍令、自衛隊における「ねじれ」 その2

「軍隊は命令で動き、特に軍令の伝達される経路を指揮系統という。最高指揮官が発した命令は司令官を経由し更にその配下の部隊の長に伝達される。 ここで言う司令官や部隊の長はそれぞれその部署における指揮官である。つまり命令は常にその配下の指揮官に伝…

軍隊の最高指揮権の所在、自衛隊と天皇

「通常、最高指揮官は最高政治権力者と一致する。もしこの両者が別の人物だとするとクーデターが容易に起こせることとなり政治が不安定化するからだ」(鍛冶俊樹『戦争の常識』p64) 「最高政治権力者は国によって異なるが、西欧諸国では本来、国王(女王)…

軍政と軍令、自衛隊における「ねじれ」

軍政とは「軍事行政という意味で、軍の内部の管理を指す」(鍛冶俊樹『戦争の常識』p62)。 「軍は戦争のための組織だが、いつも戦争をしているわけではない。平時には基地や駐屯地にいて、訓練や研究、警備などの仕事にいそしんでいる。当然、基地や駐屯地…

災害対処と予備自衛官

「予備役とはもともと徴兵制と深い関係がある。一定の徴兵期間(大体2年前後)を過ぎると除隊して社会復帰することになるが、そこで予備役に編入される場合がある。編入されると一般社会にありながら年に2週間程度の軍事訓練を受け、緊急事態には即座に召集…

民間防衛における、徴兵制とボランティア

「防災は “Civil Defense” の一つであり、この英語は一般に民間防衛ないし市民防衛と訳されるが、国民を守るという意味であるから国民防衛とするのが適当であろう」(鍛冶俊樹『国防の常識』p68-69) 「もとより災害においては消防が動くのが普通だが、警察…

日本はまだ、自然災害と国防への意識が足りない

「なぜ津波の深刻な想定をしなかったのか?それは津波が外部からの攻撃に他ならないからだ。外部からの攻撃を想定すればテロについても当然想定しなくてはならなくなる。航空機が突っ込んで来る場合も想定しなくてはならず、ミサイルが飛んで来ることも考え…

自衛隊の災害派遣における現実

「東日本大震災で自衛隊が大活躍したのは周知の事実だが・・・あの震災時、米軍がいわゆるトモダチ作戦で日本国民を救援してくれたが、その米軍は武装解除をしていなかった。武器は携行するか身近な所に保管していたのである。 それは考えて見れば当然のことで…

法律上、自衛隊は軍隊ではない

(画像引用元:陸上自衛隊、フォトギャラリー) 「自衛隊は軍隊である。これは世界の常識だ。小銃を肩に担って整然と行進し、戦車がこれに続く。空には戦闘機が飛び、海には護衛艦や潜水艦が航行している。これで軍隊でないなどということはあり得ない」(鍛…

国防と防衛、安全保障との関係

(画像引用元:海上自衛隊) 「防衛と国防の関係を考えると・・・単に防衛と言った場合、軍事的に防衛することを指すことが多い」(鍛冶俊樹『戦争の常識』p31-32) 「防衛とは専守防衛というような限定的な意味ではなく、敵地を攻撃し占領することまでを含む」…

日本で軍事を学ぶには、自衛官になるしかない

(画像引用元:キャンパス案内 | 防衛大学校) 「日本の大学で『軍事』を教える学校は防衛大学校と防衛医科大学校を例外として一校もないでしょう。安全保障を専門とする学者が『国際政治』や『国際関係』を教える講座はあっても、軍人や元軍人が『軍事学』…

日本国憲法は、帝国憲法と比較して読むと理解しやすい

「成文憲法の制定は、革命などの政治変動の後、新たな統治に関する基本的法秩序を定める作用である」(渋谷秀樹・赤坂正浩『憲法2統治 第6版』p370) 日本国憲法は、建前としては帝国憲法を改正したものであるが、実際上は新憲法として制定されたのである…

大正時代を中学歴史教科書で振り返る ①太字年表 おおよその流れ

今回も東京書籍『新編新しい社会 歴史』を参考に作りました。 1912 第一次護憲運動 1913 1914 第一次世界大戦(~'18) 1915 二十一か条の要求 1916 1917 ロシア革命 1918 米騒動 シベリア出兵 1919 三・一独立運動 五・四運動 ベルサイユ条約 ワイマール憲…

もし、札幌で大地震が起きたら

過去に起きた「札幌の大地震」(p219)について、道民としては「わが事」でもあるので、何かの参考になればと思い、少し引用した。 北海道の地震 作者: 島村英紀,森谷武男 出版社/メーカー: 北海道大学出版会 発売日: 1994/03/25 メディア: 単行本(ソフトカ…

小川和久『日本人が知らない集団的自衛権』(文春新書)を読む。①集団的自衛権について考える前に知っておくこと

集団的自衛権とは何であるか、如何なる場合に発動されるのか、或いはそれ自体は日本国憲法に違反するや否や、という議論が昨年盛んに行われた。 私としては、個別的自衛権も発動できなくてどうして集団的自衛権の賛否を論ずるのか理解に苦しんだが、現実には…

明治維新を中学歴史教科書で振り返る ③新政府樹立と祖国統一戦争

1867 大政奉還 王政復古の大号令 1868 戊辰戦争 五箇条の御誓文 1869 版籍奉還 北海道 1870 1871 廃藩置県 解放令 1872 学制 (壬申戸籍) 1873 徴兵令 地租改正 1874 民撰議院設立建白書 屯田兵 1875 1876 1877 西南戦争 明治維新は、徳川慶喜の大政奉還を…

「地政学ブーム」に付いて考えたこと

昨年から、書店には「地政学」を題材とする著書が多く並んでいる。何故「地政学」が流行っているのか。 そもそも地政学とは何なのか。 「安全保障を地理的な環境から論ずるやり方を地政学と言う」(鍛冶俊樹『戦争の常識』) 「地政学は、帝国主義の論理です…

明治時代を中学歴史教科書で振り返る ①太字年表(その1)おおよその流れ

太字年表とは、塾講師時代に歴史が苦手な生徒に指導した、教科書の本文(まれに注釈)の太字のみで作る年表をいいます。試みに東京書籍『新編新しい社会 歴史』を参考に作ってみました。 1868 戊辰戦争 五箇条の御誓文 1869 版籍奉還 北海道 1870 1871 廃藩…

徴兵制のメリット・デメリット

「徴兵制は社会一般の国防意識や公共精神の普及に極めて有効である。日本では国防意識も公共精神も学校で教えることすらしていないが、諸外国の学校では重要な徳目である。しかし単に学校で教えるだけでは意識は徹底しない。徴兵制はこうした精神面の教育の…

国防の義務と徴兵制、志願兵制の違い

憲法改正で徴兵制が復活する・・・という言説を時折目にする。しかし、そもそも徴兵制とは何なのか、志願兵制とは何が違うのか。 日本国憲法は徴兵制を禁止しているというが、それは本当だろうか。 「国民国家とは・・・国民のための国家という意味である。・・・しか…

天皇が「国民」に含まれるかは、「国民」の定義による

私は天皇の「退位」には当然反対であるし、譲位にも反対であることは変わらない。 それとは別の問題として、天皇は「国民」に含まられるや否や、という憲法のテキストで論じられるテーマが、国会でも論じられたようである。 www.sankei.com 国家は国民の団体…

美濃部達吉『憲法講話』 序文(大正元年版/大正7年版)

序 明治四十四年の夏余は文部省の開催せる中等教員夏期講習会に於て帝国憲法の大要を講話するの委嘱を受け、七月の末より八月の初に亘り前後約十回を以て其の講話を終れり。当時聴講者諸氏の其の筆記を公にせんことを希望せらるるもの多かりしを以て、爾来其…