一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

帝国憲法と日本国憲法

『憲法撮要』で自衛隊を読む。 軍の編制(自衛隊の編成)①

【『憲法撮要 第二版』】 第一節 軍の編制 帝国の軍隊は陸軍と海軍とに分つ。近時航空隊の益重要を加ふるに従ひ、英国の如き別に空軍の制を建つる者ありと雖も、我が現時の軍制は航空隊をして陸海軍に分属せしめ、未だ其以外に独立するものと為さず。 陸海軍…

日本国憲法前文 第三段及び第四段 新憲法の普遍道徳主義

【第三段】 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 【第四…

日本国憲法前文 第二段 新憲法の永久的平和主義

【第二段】 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上…

日本国憲法前文 第一段④ 新憲法の国民主権主義② 国民主権の思想

【第一段後半】 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、…

日本国憲法前文 第一段③ 新憲法の国民主権主義① 国民主権の意義

【第一段前半】 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす…

日本国憲法前文 第一段② 新憲法制定の理由

【第一段前半】 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす…

日本国憲法前文 第一段① 日本国憲法の制定者は、国民である

前回までは大日本帝国憲法上諭を読み、憲法制定の由来やその思想を紐解いた。今回から日本国憲法前文を、美濃部達吉博士の解説を踏まえ読み直してみたい。 【第一段】 日本国民は、・・・この憲法を確定する。 新憲法前文は其の劈頭に於いて、日本国民が此の憲…

帝国憲法上諭 第六段及び国務大臣の副署 天皇の大権行使は国務大臣が責任を負う

【第六段】 朕カ在廷ノ大臣ハ朕カ為ニ此ノ憲法ヲ施行スルノ責ニ任スヘク朕カ現在及将来ノ臣民ハ此ノ憲法ニ対シ永遠ニ従順ノ義務ヲ負フヘシ 第六段に於いては、結語として、国務大臣が憲法施行に付いて責任を負担することを明にし、及び重ねて臣民に対して憲…

帝国憲法上諭 第五段 憲法改正の方法

【第五段】 将来若此ノ憲法ノ或ル条章ヲ改定スルノ必要ナル時宜ヲ見ルニ至ラハ朕及朕カ継統ノ子孫ハ発議ノ権ヲ執リ之ヲ議会ニ付シ議会ハ此ノ憲法ニ定メタル要件ニ依リ之ヲ議決スルノ外朕カ子孫及臣民ハ敢テ之カ紛更ヲ試ミルコトヲ得サルヘシ 第五段は憲法改…

帝国憲法上諭 第四段 憲法の施行時期

【第四段】 帝国議会ハ明治二十三年ヲ以テ之ヲ召集シ議会開会ノ時ヲ以テ此ノ憲法ヲシテ有効ナラシムルノ期トスヘシ 第四段に於いては、憲法施行時期を定め、併せて明治二十三年に第一回の帝国議会が召集せらるべきことを宣言せられて居る。・・・憲法の施行時期…

帝国憲法上諭 第二段及び第三段 日本憲法の君主主義と立憲主義

【第二段】 国家統治ノ大権ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ伝フル所ナリ朕及朕カ子孫ハ将来此ノ憲法ノ条章ニ循ヒ之ヲ行フコトヲ愆ラサルヘシ 第二段に於いては、わが憲法の最も重要なる基本主義ともいふべき君主主権の原則を宣言し、併せてそれが憲法の制…

帝国憲法上諭 第一段④ 天皇の大権は憲法によって定められ、憲法によって制限される

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法「上諭」と日本国憲法「前文」を読み比べる

日本には帝国憲法、日本国憲法の二つの成文憲法がある。上諭や前文には、その憲法の拠って立つ思想が書かれている。これらを読み比べることは、日本憲法の基礎となる思想を知る上で、有意義であると思う。 ichijokanji.hatenablog.com ichijokanji.hatenablo…

帝国憲法上諭 第一段③ 帝国憲法は天皇が欽定する

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法上諭 第一段② 憲法制定の目的

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法上諭 第一段① 我が国は上古以来、「君民一致の国体」である

帝国憲法上諭及び日本国憲法前文を比較し、日本憲法の姿を明らかにしたい。そこでまず、『逐条憲法精義』(美濃部達吉、昭和2年)により、帝国憲法の拠って立つ思想を探ろうと思う。 総て法律、勅令は、本文の前に上諭を附して公布されるのが通例である。大…