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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

日本国憲法前文 第一段④ 新憲法の国民主権主義② 国民主権の思想

【第一段後半】 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、…

日本国憲法前文 第一段③ 新憲法の国民主権主義① 国民主権の意義

【第一段前半】 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす…

日本国憲法前文 第一段② 新憲法制定の理由

【第一段前半】 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにす…

日本国憲法前文 第一段① 日本国憲法の制定者は、国民である

前回までは大日本帝国憲法上諭を読み、憲法制定の由来やその思想を紐解いた。今回から日本国憲法前文を、美濃部達吉博士の解説を踏まえ読み直してみたい。 【第一段】 日本国民は、・・・この憲法を確定する。 新憲法前文は其の劈頭に於いて、日本国民が此の憲…

帝国憲法上諭 第六段及び国務大臣の副署 天皇の大権行使は国務大臣が責任を負う

【第六段】 朕カ在廷ノ大臣ハ朕カ為ニ此ノ憲法ヲ施行スルノ責ニ任スヘク朕カ現在及将来ノ臣民ハ此ノ憲法ニ対シ永遠ニ従順ノ義務ヲ負フヘシ 第六段に於いては、結語として、国務大臣が憲法施行に付いて責任を負担することを明にし、及び重ねて臣民に対して憲…

帝国憲法上諭 第五段 憲法改正の方法

【第五段】 将来若此ノ憲法ノ或ル条章ヲ改定スルノ必要ナル時宜ヲ見ルニ至ラハ朕及朕カ継統ノ子孫ハ発議ノ権ヲ執リ之ヲ議会ニ付シ議会ハ此ノ憲法ニ定メタル要件ニ依リ之ヲ議決スルノ外朕カ子孫及臣民ハ敢テ之カ紛更ヲ試ミルコトヲ得サルヘシ 第五段は憲法改…

帝国憲法上諭 第四段 憲法の施行時期

【第四段】 帝国議会ハ明治二十三年ヲ以テ之ヲ召集シ議会開会ノ時ヲ以テ此ノ憲法ヲシテ有効ナラシムルノ期トスヘシ 第四段に於いては、憲法施行時期を定め、併せて明治二十三年に第一回の帝国議会が召集せらるべきことを宣言せられて居る。・・・憲法の施行時期…

帝国憲法上諭 第二段及び第三段 日本憲法の君主主義と立憲主義

【第二段】 国家統治ノ大権ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ伝フル所ナリ朕及朕カ子孫ハ将来此ノ憲法ノ条章ニ循ヒ之ヲ行フコトヲ愆ラサルヘシ 第二段に於いては、わが憲法の最も重要なる基本主義ともいふべき君主主権の原則を宣言し、併せてそれが憲法の制…

帝国憲法上諭 第一段④ 天皇の大権は憲法によって定められ、憲法によって制限される

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法「上諭」と日本国憲法「前文」を読み比べる

日本には帝国憲法、日本国憲法の二つの成文憲法がある。上諭や前文には、その憲法の拠って立つ思想が書かれている。これらを読み比べることは、日本憲法の基礎となる思想を知る上で、有意義であると思う。 ichijokanji.hatenablog.com ichijokanji.hatenablo…

帝国憲法上諭 第一段③ 帝国憲法は天皇が欽定する

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法上諭 第一段② 憲法制定の目的

【上諭 第一段】 朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明…

帝国憲法上諭 第一段① 我が国は上古以来、「君民一致の国体」である

帝国憲法上諭及び日本国憲法前文を比較し、日本憲法の姿を明らかにしたい。そこでまず、『逐条憲法精義』(美濃部達吉、昭和2年)により、帝国憲法の拠って立つ思想を探ろうと思う。 総て法律、勅令は、本文の前に上諭を附して公布されるのが通例である。大…

【憲法小論】10八月革命説と日本国憲法の有効性

10.八月革命説と日本国憲法の有効性 まず端的に「八月革命説」とは、帝国憲法の改正権者は天皇であったが、ポツダム宣言受諾によって憲法改正権が国民の手に移ったという超理論である。従って本来憲法上許されない、帝国議会に於ける自由な審議が行われ、法…

【憲法小論】9憲法改正権

9.憲法改正権 憲法制定権と同様つまらない法律論でしかないが、制定権同様、一旦立ち止まって考える必要がある。 憲法改正とは憲法典の改正であり、法律を制定、改正するよりも丁重な手続規定が設けられていることが多い。 憲法制定権者は君主国に於ては君…

【憲法小論】8憲法制定権

8.憲法制定権 憲法改正が言われる中で、日本国憲法の条文を如何に改正するかが問題にされるが、そもそも改正されるべき憲法とは日本国憲法なのだろうか。日本国憲法の存在を根拠づける八月革命とは一体何なのか。それとも、日本国憲法は無効であり、帝国憲…

【憲法小論】7国体が変更されたという意味

7.国体が変更されたという意味 まず、国体とは何であるか。 法的に見た国体とは「万世一系ノ天皇君臨シ統治権ヲ総攬シ給フコト」(大審院判例)をいう。これは帝国憲法第一条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」、第四条「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治…

【憲法小論】6法的に見る帝国憲法と日本国憲法

6.法的に見る帝国憲法と日本国憲法 君主は法律上の最高機関であるという意味をもう少し説明したい。 国家は国民の団体であり、法的に見ると一つの法人である。 法人は権利能力の主体であり、意思力を有し活動力を有する。意思を形成し活動するには、表示さ…

【憲法小論】5日本憲法の基本主義は君主主義、立憲主義、統一主義の三つである

5.日本憲法の基本主義 日本憲法の基本主義は君主主義、立憲主義、統一主義である。これは帝国憲法から日本国憲法に、即ち大権中心主義から国会中心主義へと移行しても不変であると信ずる。 第一に君主主義が挙げられる。我国が君主政体の国であることは歴…

【憲法小論】4立憲政体とは国民国家の政体である

4.立憲政体とは国民国家の政体である 専制政体から立憲君主政体への移行は国会制度の発達と同義であり、君民共治の政体への移行でもあった。 英国は立憲政体の母国と言われる。では英国ではいかにして国会制度が発達したのだろうか。 まず専制政体の起源は…

【憲法小論】3国会は国民の法定代表の機関である

3.国会は国民の法定代表の機関である 国会は国民を法的に代表する。法的に代表するとは、民法上の法定代理と同意義である。代表する者とされる者が、予め法によって定まっているのである。 まず国会が国家の機関であるのと同様、国民もまた国家の機関であ…

【憲法小論】2君主は法律上の最高機関であり、国会は政治上の最高機関である

2.君主は法律上の最高機関であり、国会は政治上の最高機関である 君主の有する法律上の権力とは国政上の権威を意味し、君主はその最高機関である。国会の有する政治上の権力とは国政上の権限であり、国会は政治的な意味における最高機関なのである。 政治…

【憲法小論】1立憲君主政体とは君民共治の政体である

1.立憲君主政体とは君民共治の政体である 専制政体とは、君主が法律上の権力と政治上の権力を独占している政体をいう。これに対して、これらを君主と国会が分掌している政体を立憲君主政体という。 法律上の権力を権威、政治上の権力を権限ということもで…

美濃部達吉『憲法講話』 序文(大正元年版/大正7年版)

序 明治四十四年の夏余は文部省の開催せる中等教員夏期講習会に於て帝国憲法の大要を講話するの委嘱を受け、七月の末より八月の初に亘り前後約十回を以て其の講話を終れり。当時聴講者諸氏の其の筆記を公にせんことを希望せらるるもの多かりしを以て、爾来其…