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国家とは何だろうか

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

【憲法小論】6法的に見る帝国憲法と日本国憲法

憲法小論

 6.法的に見る帝国憲法日本国憲法

 

 君主は法律上の最高機関であるという意味をもう少し説明したい。

 

 国家は国民の団体であり、法的に見ると一つの法人である

 法人は権利能力の主体であり、意思力を有し活動力を有する。意思を形成し活動するには、表示されるべき意思を決定し効力を与える機関(最高機関)が必要で、その意思に従って実際に活動する機関も必要である。

 国家も法人であるから、国家の意思即ち法律は国会の議決で決定し、君主の公布によって効力が与えられる。法律に従って実際に活動する機関とは内閣や裁判所とそれらの下級機関、そして国民自身である。国家の諸機関は法律によって活動力が与えられ、国民もまた法律によって国家との関係が定まる。

 君主の公布によってはじめて法律が効力を持つのであるから、君主が法律上の最高機関であると言えるのである。

 

 ▼左が帝国憲法、右が日本国憲法の統治組織

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 基本的にどちらも似た組織になっている。

 まず国民を代表する国会が法律を議決する。帝国憲法では天皇の裁可と合して初めて制定となるが、日本国憲法では国会のみで法律を制定することができる。しかしいずれも天皇の公布なくして法律は施行されず、効力を生じ得ない。憲法政令、条約も、天皇の公布なくして施行されないのであるから、国家の意思力の最高の源泉は天皇にあるとする天皇機関説日本国憲法に於ても通ずる説であると信ずる。

 

 統治権は国家の権利であり、君主の権利でなければ国民の権利でもない。ただ君主が統治権を総攬するというのは、国家の意思は総て君主の大権(国事行為)によって表明され得るという意味であって、決して君主が統治権の主体であるという意味ではない。その上で天皇は、帝国憲法に於ても日本国憲法に於ても国家の法律上の最高機関であり、統治権の総攬者であると言えるのである。その限りで国体は変更していない。

 

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