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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

【憲法小論】7国体が変更されたという意味

憲法小論

 7.国体が変更されたという意味

 

 まず、国体とは何であるか。

 法的に見た国体とは「万世一系ノ天皇君臨シ統治権ヲ総攬シ給フコト」(大審院判例)をいう。これは帝国憲法第一条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」、第四条「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リテ之ヲ行フ」という条文が我が国体を表したものであると、大審院(今でいう最高裁)が確認したものである。

 詳言すると、我国の法的意味の国体とは第一に天皇の地位、即ち皇位は万世一系であること、第二に天皇は君主であること、第三に天皇は元首として統治権を総攬すること、第四に立憲君主政体であることである。

 

 一方日本国憲法では天皇が君主であるか否か、元首であるか否かについて学説が分かれているが、小生は当然に天皇は日本国家の君主であり元首であると信ずる。

 まず君主国では君主が元首となる。天皇が君主であり元首である根拠は、第一に天皇は(男系の皇男子孫による)世襲制(万世一系)の独任機関であること、第二に内閣総理大臣及び最高裁判所長官を任命し、国会を召集し法律を公布すること即ち統治権の最高の源泉である、総攬者であることである。

 そして我国は国会を有する立憲君主政体であるから、帝国憲法下に於ける法的意味の国体は引続き継承していると考えるべきである。

 

 国体が変更されたという場合の国体とは、政治的意味の国体である。即ち大権中心主義から国会中心主義に改められたことを以て国体の変更というのである。

 大権中心主義では、統治権は総て天皇の大権に統一され、国務大臣の輔弼に基いて天皇親裁することとなっている。法律は天皇の裁可が無ければ成立せず、内閣総理大臣天皇の大命により指名される。

 国会中心主義では、法律は国会の決議のみで成立し、内閣総理大臣は国会が指名する所である。かつての大権事項は国事行為として内閣の助言と承認によって行われる

 

 大権中心主義といえども、実質的には帝国議会や内閣が政治上の決定権を有していたのであり、形式的に天皇が親裁したこととして、国家の意思を内外に発表したのである。国会中心主義に於ては実質的にも形式的にも国会が政治の中心となり、天皇は唯その決定に従うのみとなったのである。即ち政治的意味の国体が変更されたとは政治の重心が天皇から国会に移ったことをいうのであり、君主政体から民主政体に移行したというような、所謂革命が起こったという意味ではない

 

 

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