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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

【憲法逐条解説】 第3条 天皇の国事行為は、すべて内閣が責任を負う 

   第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

 

 〔解 説天皇の行為に対する内閣の責任

 国事に関する天皇の権限は第六条及び第七条の定むる所であるが、天皇が此等の行為を為すには自己の自由意思に依つて行ふのではなく、必ず内閣からの進言に基き其の承認を得て之を行ふのであつて、それに付いての責任は専ら内閣が之を負ふのである。其の関係は旧憲法(五五条一項)に「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」とあつたのに類して居るが、各大臣が単独に進言を為し得ることは全く認められず、必ず内閣全体の意見として進言するを要するものとせられて居ることに於いて異つて居る※1

 天皇の親署ある文書に国務大臣の副署あるを要するや否やに付いては憲法には何等の規定なく、法律の定むる所に依るべきものであるが、副署の制も恐らくは一変せらるるであらうと思はれる※2

 

 

 ※1 帝国憲法の下でも、実際には「国務大臣の単独の輔弼というものは、ほとんど行われず、天皇の行政権に対する輔弼は、すべて国務大臣の全体で組織される内閣によって行われ」宮沢俊義憲法 改訂版』p293)ていた。

 ※2 親署を要する行為の形式については、公式令(明治四〇年、勅令第六号)に定められていた。例えば法律の公布については、上諭を附し(第六条第一項)、親署の後御名御璽を鈐し、内閣総理大臣が年月日を記入、署名し、他の国務大臣若しくは主任の国務大臣が共に副署することと(同第二項)なっていた。

 公式令は昭和二十二年に廃止されたが、現在も慣習として、法律には公布文を附し、天皇がこれに親署し御名御璽を鈐し、内閣総理大臣が年月日を記入し副署することとなっている。