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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

潮匡人『常識としての軍事学』(中公新書ラクレ)を読む。①軍事について学ぶ

 国家は国民の団体である。団体であるからには、必ず目的がある。

 国家の第一の目的は「自存の目的美濃部達吉憲法撮要 第三版』)である。これは防衛力と経済力によって国家の存立を保持することを意味する。

 

 従って国家の基礎法たる憲法を論ずるには、まず防衛力の基礎である軍事について学ぶ必要がある。

 

常識としての軍事学 (中公新書ラクレ)

常識としての軍事学 (中公新書ラクレ)

 

 

 私は法学部だったので、憲法判例に於ける自衛隊についてばかり学んで来たし、国際関係論の講義でも、軍事について学んだ記憶はない。せいぜい、軍事同盟や経済条約の歴史についてだけだったと思う。というのも、

 

 日本の大学で「軍事」を教える学校は防衛大学校防衛医科大学校を例外として一校もないでしょう。安全保障を専門とする学者が「国際政治」や「国際関係」を教える講座はあっても、軍人や元軍人が「軍事学」を教える講座はどこにもないはずです」(p6)

 

 しかし、

 

 「欧米の一流大学で「軍事」を教えない大学はありません。あったとすれば、それは単科大学(college)であり、総合大学(university)とは認知されないでしょう。少なくとも欧米では、多くの総合大学が軍事・安全保障専門の学部や学科を設けています」(p7)

 

 残念ながら、日本には一流大学は存在しないことになる。

 

 「東京大学から無名の私立大学に至るまで、この国では「軍事」を勉強しようと思っても、教えてくれる学校もなければ、先生もいません。防大に入る、つまり自衛官になる以外の道はないわけです。

 その意味でも、本書は日本で唯一の「常識としての軍事学」講座であります」(p7-8)