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一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

『憲法撮要』で自衛隊を読む。 軍の編制(自衛隊の編成)①

 【『憲法撮要 第二版』】

 

 第一節 軍の編制

  帝国の軍隊は陸軍と海軍とに分つ。近時航空隊の益重要を加ふるに従ひ、英国の如き別に空軍の制を建つる者ありと雖も、我が現時の軍制は航空隊をして陸海軍に分属せしめ、未だ其以外に独立するものと為さず。

 陸海軍は天皇大元帥として親ら之を統率す。明治十五年の軍人に対する勅諭に曰く『夫レ兵馬ノ大権ハ朕ガ統ブル所ナレバ其司々ヲコソ臣下ニ任スナレ、其大綱ハ朕親ラ之ヲ攬リ肯テ臣下ニ委ヌベキモノニアラズ・・・・・朕ハ汝等軍人ノ大元帥ナルゾ』と。即ち総ての軍隊は至尊の統帥の下に属し、其以外に別個の軍隊あることを許さず、軍隊の総ての行動は直接又は間接に必ず勅命に依る。私に武力団を組織し、私に外国に対し戦闘を為すが如きは国法の固く禁止する所なり。

 軍隊は国家の設くる所にして、随つて軍の編制を定むることは国家の行為なること言を俟たず。軍隊の行動を指揮し其戦闘力を発揮することは、軍令権の作用に属し、内閣の職務の外に在りと雖も、軍の編制は内閣の職務に属すること他の一般国務に同じ。唯従来の我が実際の慣習は必ずしも此原則に従はず、軍の編制に関しても内閣の議を経ざるもの多し。

 

 ※美濃部達吉憲法撮要 第二版』(大正12年)p549-550

  原文は片仮名式文語体であるが、片仮名を平仮名に、古字及び旧字体は新字体に改めた。読みやすく改行を加えたが、本文はそのまま。

 

 

 【自衛隊に置換】

 

 第一節 自衛隊の編成

 自衛隊の軍種は陸上と海上と航空とに分つ。近時水陸両用部隊の益重要を加ふるに従ひ、米国の如き別に海兵隊の制を建つる者ありと雖も、我が現時の計画は水陸機動団をして陸上自衛隊に新設せしめ、未だ其以外に独立するものと為さず。

 自衛隊内閣総理大臣最高指揮監督権者として内閣を代表し之を統率す。自衛隊法第七条に曰く『内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と。即ち総ての部隊及び機関は内閣総理大臣の指揮監督の下に属し、其以外に別個の部隊及び機関あることを許さず、自衛隊の総ての行動は直接又は間接に必ず内閣総理大臣の命令に依る。私に武力団を組織し、私に外国に対し戦闘を為すが如きは国法の固く禁止する所なり。

 自衛隊防衛省の設くる所にして、随つて自衛隊の編成を定むることは防衛省の行為なること言を俟たず。自衛隊の行動を指揮し其防衛力を発揮することは、指揮監督権の作用に属し、内閣の職務に属する。

 

 ※文語体の原文に現行法をそのまま挿入した。私の解釈に誤りがあれば是非指摘して頂きたい。

 ※自衛隊防衛省設置法に根拠があるために、「防衛省の設くる所」とした。