一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

法律上、自衛隊は軍隊ではない

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 (画像引用元:陸上自衛隊、フォトギャラリー

 

 

 「自衛隊は軍隊である。これは世界の常識だ。小銃を肩に担って整然と行進し、戦車がこれに続く。空には戦闘機が飛び、海には護衛艦や潜水艦が航行している。これで軍隊でないなどということはあり得ない(鍛冶俊樹『戦争の常識』p206)

 自衛隊が軍隊でないというのは、単に法制度上の問題に過ぎない。憲法上の論争はまだ続くだろうが、実体は軍隊だと大半の日本国民も理解している(同同)

 

 一方で、

 

 「日本人が認識しないといけないのは、自衛隊が軍隊ではないということです。なぜなら、自衛隊は致命的に軍隊の要件を満たしていないのです。

 軍隊の要件としては、まず、有事法制が許可事項列挙型のポジティブリスト方式でなく、禁止事項列挙型のネガティブリスト方式であることが絶対条件です。

 そして、軍隊は自己完結した組織である必要があります。これは二つの意味があります。つまり、物理的と法律的に自己完結しないといけないということです。

 物理的というのは、食料その他もろもろの物資を自給自足して生存できなければそれは軍隊とは言えないということです。財務省が予算をつけてくれないから、自衛官が全員餓死しました』では話になりません。だから、軍隊は予算を取ってくる努力をしなければなりません。そして、いざとなれば物資を現地調達するのが軍隊なのです。東日本大震災でコンビニに通う自衛隊は軍隊として最低の行動です(倉山満『「軍国主義」が日本を救う』p34-35)

 

 「法的な完結として軍隊は軍法会議を開ける必要があります。軍法会議とは一審制の裁判(国により例外ありですが)で、軍刑法に基づいて軍人を裁く裁判です。反乱者などを即決裁判で死刑にすることもできます。

 そして、軍刑法が一般の刑法に優先する事態を戒厳令と言います。つまり、軍人以外の国民にも軍刑法が適用されるということです。関東大震災や二・ニ六事件のように政府機能が麻痺した時に、もし反乱を起こす人間がいれば、問答無用で押さえ込まなければ秩序を維持できません。

 以上のように、ネガティブリスト方式の有事法制軍法会議があることが、法律的に自己完結した軍隊の必要条件なのです。ところが自衛隊には、できることだけを明記したポジティブリスト方式の有事法制があるだけ、そして軍刑法はありません。だから、自衛隊は軍隊ではないのです(同p36)

 

 「日本の有事法制の条文は、他国に類例を見ないほど、複雑でしかも出来ることは限られている。つまり、軍隊でありながら軍隊としての裁量を与えられていない。法制度を巡る自衛隊の悩みは深いのである(鍛冶俊樹『戦争の常識』p210)

 

 ▼引用図書 

戦争の常識 (文春新書)

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「軍国主義」が日本を救う (一般書)

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