一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

災害対処と予備自衛官

 「予備役とはもともと徴兵制と深い関係がある。一定の徴兵期間(大体2年前後)を過ぎると除隊して社会復帰することになるが、そこで予備役に編入される場合がある。編入されると一般社会にありながら年に2週間程度の軍事訓練を受け、緊急事態には即座に召集され軍務に服する(鍛冶俊樹『国防の常識』p72)

 

 「自衛隊の場合、予備自衛官制度があるが諸外国の予備役と較べて人数が少ない。諸外国の予備役は現役兵と同数かそれ以上の人数を確保している。緊急時には現役兵の倍以上の兵員を即座に動員できるからこその予備役制度なのだが、自衛隊では現役が24万人に対して予備自衛官は約5万人と少なく、しかも東日本大震災で動員された予備自衛官は6000人程度だといわれている。緊急時にもかかわらず予備自衛官制度が生かされたとは言い難い(同p73)

 

 「なぜ生かされなかったかと言えば、国民の間での認知度が低いことが一因だと言われている。諸外国の予備役は基本的に徴兵制の延長であるから、国民全体が義務感を持ってこの制度を支えている。緊急時には会社の上司は予備役の部下を当然の事として休暇を与え軍に送り出す。こうして会社も国防の義務を果たしているのだ。

 ところが、日本では予備役はもちろん国防の義務さえ認知されていない。予備自衛官を採用している会社も、緊急時には忙しい場合が多く、快く長期間の休暇を与えてくれないのが実情だ(同同)

 

 「もし国防の義務や国民防衛の概念が国民に周知徹底されていれば、この震災にあたっても24万人以上の予備自衛官が即座に動員され、より迅速でより大規模な救出活動が可能であった筈である(同同)

 

 

 ▼引用図書 

国防の常識 (角川oneテーマ21)

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