一条寛治のブログ

日本憲法と安全保障について考えるブログです。

日本の仮想敵国と、軍事バランス

 「自衛隊『仮想敵国』という言葉を使っていません。しかし、仮想敵国のない防衛体制というものはあり得ない。

 国防を考える時には、どんな国でも、軍事戦略や準備すべき兵力や兵站を考えるために仮想敵国を設定しています田母神俊雄『田母神国軍』p81)

 

 「国防を考える時に、仮想敵国がないという馬鹿げた事態がまかり通るのは、世界広しと言えども日本だけでしょう。そもそも仮想敵国もなしで、いったい何から国を守るのか。仮想敵国がないということは、防衛予算は目的もなく使われることになりますから、その異常さがわかろうというものです(同p82)

 

 「日本にとってのいちばんの仮想敵国は、もちろん中国です(同同)

  

 

 では、その「中国」から見て日本はどのような位置にあり、どのように侵略しようとするだろうか。

 

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 「中国という国は、太平洋側を見ると、日本列島と沖縄、南西諸島、台湾ですっぽりと蓋をされたようになっています。軍事的には、これを第一列島線、そして横須賀、小笠原諸島グアム島を結ぶ線を第二列島線と呼びます(同p73)

 

 「中国の国防政策の見地からすると、地理的に太平洋に蓋をしている形で位置する日本という国は実に邪魔な国です。中国の軍艦が太平洋上に出ていくためには、どうしても日本周辺を通過しなければなりません。

 津軽海峡北方領土の付近からは、ロシアの存在もあるので、中国もなかなか軍艦を進めることはできない。中国は沖縄本島宮古島の間から太平洋に出るしかないからです(同p74-75)

 

 「だからこそ、日本にとって沖縄が重要だと言えます。石垣島とか与那国島、または伊良部島の南にある下地島に、陸海空の統合的な運用ができる基地を置き、ミサイル部隊や戦闘機部隊を配備しなければ、いま以上に、中国軍が日本の領海内を自由気ままに我がもの顔で行き交うことになります(同p75)

 

 今や「第一列島線」、「九段線」という中共の膨張戦略は、一般の日本国民でさえ知る所となった。ならば政府は、「我が国の安全保障のために、『中国』が主張する所謂『第一列島線』を突破されないため、『中国』を東シナ海に閉じ込めておくために、沖縄の、とりわけ尖閣の守りを強化しなければならない」と国民に訴えてよい。

 

 また、我国のシーレーンを守るためには、「九段線」を含む南シナ海の「中国化」を阻止する必要がある。若し南シナ海が「中国領」となれば、我国にとっては、文字通り「存立危機事態」となってしまう。

 

 逆に言えば「中国」にとっても沖縄が重要であり、日米離反や琉球独立を工作するだろう。

 

 

  一方で、仮想敵国を設定できないのは、政治家にも原因がある。

 

 「そもそも日本の政治家は、『軍事バランスをとる』ということの意味自体を全く理解していません。軍事バランスがとれていなければ、外交交渉もできないし、国益を守ることもできません。相手国の軍事力ばかりが増えては、まさに『侵略してください』と言わんばかりの事態なのです(同同)

 

 現に尖閣諸島は「中国船」が自由に漁業や調査を行っており、日本の船が近寄ることを許さない。

 

 「中国は2020年までに空母を6隻持ち、2隻は原子力空母と宣言しているのです。日本を含め、世界中にその力を示そうとしている。しかし、日本では、総理大臣も『ふーん、あ、そう』と言って終わりになります。

 本来ならば、総理大臣は、『あ、そう。じゃあ、うちは原子力空母4隻にします』と対抗すればいいのです。それが『軍事バランスをとる』ということです(同p85)

  

 「そもそも『軍事バランスをとる』どころか、軍事力を増大させている仮想敵国にODA(政府開発援助)を行ったり、環境問題のためだといってカネを垂れ流したりして、『どうぞ、好きなだけ軍拡してください』と軍拡を支援する始末です。もちろん、中国側も上手だから、そこからキックバックを出して、日本の政治家に返しているのでしょう。するとさらに、援助をすることになる。とんでもない話です(同p82-83)

 

 日本中に江沢民銅像を立てようという、どこかの幹事長がその例だろう。

 

 ▼引用図書 

田母神国軍  たったこれだけで日本は普通の国になる

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