一条寛治のブログ

憲法と国防について考えるブログです。

海上警備体制を整えることが急務

 「諸外国では、他国の船が勝手に領海内に入ってきたときの軍の行動は全部、現場に任されています。そして現場は、国際法に従って動きます。国際法では、領海内に入ってきた外国船が軍の指示に従わない場合、撃っていいことになっています。そのとき、銃撃して相手が死亡したとしても、国際法上は合法で何ら問題ありません田母神俊雄・拳骨拓史『田母神「自衛隊問答」国防の「壁」を打ち破る!』p16)

 

 「現場の判断に任せるようになれば、中国船が日本の領海内で好き勝手するといったことは起こりません。領海に入ったら撃たれる危険性があるのですから、当然、慎重になります。現在は、何をしても撃たれないことを知っているから、自由に暴れ回っているのです(同p17)

 

 

 「非常に逆説的で冗談めかした話になりますが、自衛隊が現場の判断で行動できるようにする方法として、海上警備行動を常時発令しつづければいい(同p20)

 

 「海上警備行動を発令しっぱなしにすれば、中国船が入ってきたら自衛隊はすぐに行動できます。さらにいえば、『防衛出動』も発令しっぱなしにすればいい(同p20-21)

 

 「このような主張は、極論のように聞えるかもしれません。しかし、考えてみれば外国の軍隊は、いわば『防衛出動を発令しっぱなしにしている』ようなものです。日本の自衛隊だけが、防衛出動を発令しないと動けない。日本では、『待機命令』すら常時発令されていません。

 そしてじつは、これは危機管理上、とても『まずいこと』でもあります。ふだん『海上警備行動』や『防衛出動』を出していないからこそ、それらが発令されただけで相手は身構え、緊張が必要以上に高まってしまうからです。『防衛出動命令が出たということは、日本は戦争をする気だ』と思わせることになってしまうのです。

 いわば、普段は行動が縛られているために抑止効果が低く、少し動かそうとしただけで、『すわ戦争か』とエスカレートしかねないのが、現在の自衛隊の姿です。これではかえって危険ですし、まったく本末転倒です(同p21)

 

 では具体的に、どのように海上警備体制を整えるべきか。

 

 「まず領域警備法の制定です。平時において、尖閣諸島小笠原諸島を護るために、陸海空自衛隊が領域警備に関して、国際法に基づいて動けるようなかたちの法律をつくる。これは急がなければなりません。現実にいま、いろいろな問題が起きているのですから(同p41)

 

 「海上警備行動は、あくまでも警察行動と一緒で、武器の使用は刑法三六条、三七条の正当防衛と緊急避難に該当するとき以外は認められません。これは対領空侵犯に対しても同じです。

 この制約を取り払って、領域警備法では武器を使えるようにしたらいいと思います。領域警備法は、戦争をするための法律ではありません。わが国を護るためのもので、その際、国際法に基づいて行動できるようにするのです(同同)

 

 「じつは、集団的自衛権が行使できないだけでなく、自衛隊は個別的自衛権も十全なかたちでは発揮できません。『個別的自衛権は当然、行使できる』と思っている人は多いでしょう。しかし尖閣諸島付近で海上保安庁の船が中国船に撃たれたとき、傍にいる自衛隊が中国船に即時反撃できるかというと、できません。

 外国なら、この場合、すぐに反撃するのに、日本だけそれができない。それは法制上の大問題なのに、防衛省は見直しの必要性を防衛計画大綱などに書きません。仕事を増やしたくないから書かないのかもしれませんが、とんでもない話です(同p42)

 

 

 ▼引用図書 

田母神「自衛隊問答」

田母神「自衛隊問答」