一条寛治のブログ

憲法と国防について考えるブログです。

日本国憲法は、協約憲法である。

 憲法典は、成立過程の違いによって①欽定憲法、②協約憲法、③民定憲法に分類される。

 

 ①欽定憲法は、君主の権力のみによって成立する憲法をいう。帝国憲法が欽定憲法と言われるのは、天皇の権力のみによって成立したからである。というのは、国民代表機関である帝国議会は、帝国憲法の規定によって設置されたのであるから、発布以前の国家統治は天皇の権力に頼るしかなく、従って欽定憲法として成立したのである。

 

 ②協約憲法とは、君主と国民との合意によって成立する憲法をいう。具体的には議会の議決や国民投票による承認と、君主の同意を必要とする。日本国憲法は、その上諭に於て「朕は・・・枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」とある。つまり、帝国議会の協賛(議決)と天皇の裁可(同意)を合して成立したことを宣明している。従って協約憲法である。

 

 ③民定憲法とは、共和政の国の憲法であり、国民の合意によって成立する憲法をいう。共和政の国には、君主の代わりに大統領が居るが、大統領は議会と同じく国民の代表機関であるから、どの機関の同意を必要としたとしても、国民の合意であると見做される。

 

 一般の教科書にあるように、日本国憲法を民定憲法に分類するとすれば、それは君主政の否定である。

 我国の憲法が協約憲法であるのは、君民共治の伝統に即しているとも言える。憲法改正議論でも、その点を留意してもらいたい。